関西盲導犬協会の施設見学に行ってきました
2017.10.29
京都医健専門学校です。
朝、晩と随分涼しくなり過ごしやすくなってきましたね。
気候のよいこの時期に、視能訓練科の1年生が京都の亀岡にある関西盲導犬協会の施設見学に行ってきました。
学校から皆でバスに乗り込み、出発です。
バスが通行できないような山奥にありますので、バス下車後15分ほど歩きます。
写真左の茶色い建物が研修施設です。2階には宿泊施設があり、盲導犬ユーザーさんが訓練のために利用されます。
右側の建物が犬舎です。広々としており、盲導犬がゆったり過ごせるスペースになっています。
犬舎の真ん中には机とソファーがあり、スタッフの方が犬舎で事務作業を行うことで、犬と人が常に同じ空間で過ごせるようになっています。
さて、皆さんは盲導犬を連れている方はどのような方だと思いますか?
全く見えない全盲の方だけが利用されるものと思われている方は少なくないのではないでしょうか。
実はそうではなく、全盲ではないが、見え方に障害のある方も利用されています。
また、ロービジョンの方の見え方はさまざまです。
今回は5名の学生にその体験をさせていただきました。
まず、紙に印刷された大きな文字を見てもらいます。
眼前10cmほどまで用紙を近づけて、やっと字を読むことができますが文章を追うには、用紙や自身の顔を移動させる必要があります。
次に移動です。皆の前の立っている所から、後ろの座席へ行き着席をするのですが、わずか4mほどの距離にも関わらず、なかなか進めずその動きはゆっくりとぎごちない様子です。手探りで空いている席を探しどうにか着席することができました。中には移動途中に壁にぶつかってしまった人がいました。
この体験では、(見え方にもよりますが)大きな字はなんとか読めるが、移動には恐怖を感じることがわかりました。盲導犬ユーザーさんの中にはこのようなロービジョンの方もおられます。
しかし、盲導犬やユーザーさんに対する社会の認知はまだまだ薄いようです。
「盲導犬を連れているのに、携帯をみている。本当は見えているのでは?」
と言われてしまったり、
「許可なく写真を撮られた、それが知らない間にネット上にあげられていた」
「レストランの入店を断られた」
といったことが現実としてあるそうです。
このお話を伺って、見えないこと以外の恐怖があることに学生はショックを受けたようでした。
また、盲導犬はあくまでも杖の代わりであり、一番安全なのは人による誘導であるため、特に駅のホームなどでは、健常者の助けが必要とされます。
「手引きの方法がわからないから、声を掛けるのはためらわれる」
その気持ちはよくわかります。声をかけるのは勇気がいりますよね。
でも、
『重要なのは命を守る事です、危険と感じたときには「盲導犬の人、止まって!」という一言でよいのです。
緊急時に手引きを気にする必要ありません。腕をつかんで引き留めてもいいのです。』
先生のそんなお話を伺い、1人でも多くの方が盲導犬やユーザーさんに対する正しい知識を持つことが、事故のない社会に繋がるのだと思いました。
今回、貴重なお話と施設見学の機会を与えてくださいました、盲導犬協会の方々にお礼申し上げます。
盲導犬協会の活動は全て募金やボランティアの方の支えによって成り立っています。
京都医健では毎年、医健祭(学園祭のようなものです)で募金活動を行い盲導犬協会施設見学の機会にお渡ししています。
今年は17,027円を寄付させていただくことができました。
ご協力をいただきました皆様方、ありがとうございました。
皆さんも街中でこのような募金箱を見かけることがあれば、ご協力いただけましたら幸いです。