和田 伸也先生の特別講義
2017.02.22
大阪医療福祉専門学校では外部の先生にお越しいただく特別講義を数多く行っています。
本日は、ロンドンパラリンピック5000m走銅メダリストで、昨年のリオデジャネイロパラリンピックでも3種目に出場し、全て6位入賞というすばらしい結果を出された、和田伸也先生をお招きし、1年生に向けて「私の半生を振り返って~中途失明の経験、パラリンピックへの挑戦~」というテーマで、失明されてからパラリンピックへ出場されるまでの歩みをお話して頂きました。
日本代表選手団のジャケットを着用しての登場です。
普通の高校生として部活に打ち込んでいた和田先生でしたが、「網膜色素変性症」という病気の進行によって必死に努力していた部活を諦めざるをえなくなり、当時は不安ばかりが募っていたというお話をしていただきました。
しかしその中で「疾患に負けたくない」という思いから大学入試に向けて努力をされ、大学の勉強と平行して点字の勉強をされるなど、並々ならぬ努力を重ねられたそうです。
その中で気付いたこととして「チャレンジしないと分からないことがたくさんある。昔は自分が陸上競技で世界一を目指すなどと思ってもいなかった 」、「色々なことを考えるより、「今」を精一杯頑張ることが大切」という力強い言葉に学生も聞き入っていました。
盲人マラソンランナーにとってガイドランナーは前後のランナーとの位置関係を教えてくれたり勝負ポイントを相談したりする、なくてはならない存在とのことでした。ランナーとガイドは「支えられる側」と「支える側」というものでなく、共に同じ目標に向かうパートナーという関係ですが、ガイドがいなければ練習が難しいのも事実だそうです。
和田先生がそうであったように視覚障がい者となった人の多くは生きがいを見失い、不安と絶望に陥るそうです。しかし適切なケアと情報、そして共に歩むパートナーがいれば、また別の生きがいを持ち、また前向きに歩みだすことができます。眼科の中で患者様と長い時間を共有する視能訓練士だからこそ、それらを担うことが出来るはずです。
高齢化社会を迎え、再生医療が始まりつつある今、ロービジョンケアの必要性はますます大きくなっています。「今」勉強していることが、将来、視能訓練士として働いたときに繋がるということを和田選手のお話の中から感じ取ることができたと思います。
頑張れ! 未来の視能訓練士達!